1. 難聴は認知症の危険因子
日本の急速な高齢化を受けて、厚生労働省は2015年認知症対策の強化をはかるため「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を策定しました。そのなかで難聴は、加齢、高血圧、糖尿病などとともに認知症の危険因子とされています。
2020年、世界的に権威のある医学誌ランセットが「認知症の40%は予防可能な12の要因により起こると考えられる。そのなかで最大の危険因子は難聴」と発表しました。
2.難聴が引き起こす認知機能低下
難聴はただ「聞こえにくい」だけではありません。人によっては会話を億劫に感じ、徐々に外出が減り、ひきこもりがちになります。すると脳への刺激が減り、認知機能が低下します。
2020 report of the Lancet Comission:※難聴によって脳への刺激が減ることで、認知機能が低下するかもしれないと報告されています。
3.軽度の難聴でも認知症発生リスクは約2倍
難聴による認知症発症への影響を約10 年間追跡した調査があります。これによると軽度難聴の人は、聴力が正常な人に比べて認知症発症リスクが約2 倍、高度難聴になると約5 倍であることがわかりました。